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『ビデオゲームの美学』(松永伸司)を読んだ。

機会があったゆえ、『ビデオゲームの美学』(松永伸司)という本を読んだ。
この本は、哲学書である。また、博士論文をベースとした内容となっているので、内容が難解で読みづらい性質がある、

俺の紹介ではピンと来ないはずなので、どのような本なのかというのを、amazonの商品紹介を引用して紹介する。

ビデオゲームは芸術だ! 

産業規模の拡大とともに、文化的重要性が増しつつあるビデオゲーム。
本書は、ビデオゲームを一つの芸術形式として捉え、その諸特徴を明らかにすることを試みる。スペースインベーダー、ドンキーコング、テトリス、パックマン、スーパーマリオブラザーズ、ドラゴンクエスト、電車でGO! ――多くの事例をとりあげながら、ビデオゲームを芸術哲学の観点から考察し、理論的枠組みを提示する画期的な一冊。

この本は、ゲームそのものというよりも、もちろんゲームそのものを分析しているわけではあるんだけども、ゲームをプレイするプレイヤーはどういうことを指すのか?ということに重点を置いて哲学的に論文が展開されていく。

かなり難しい内容で、俺自身も最後まで読んだとはいえ、その内容の半分も理解できていないのではないかと思う。

作者いわく、興味のない部分がどうしても出てくるはずなので、そういう部分はどんどん飛ばして読んでもらって良い(没になったまえがきより)とのことである。

確かに、論述を展開する前に、前書きとして展開される前提情報がかなり多くて、それらを読み解くだけでも疲れてしまうほど(避けては通れない内容ではあるのだが)、悪く言ってしまうと、回りくどいところがあるのだ。

くどいぐらい書いているが、ゲーム自体の内容(メカニズム)というよりは、我々はなぜゲームをプレイするのか?また、ゲームをプレイするとはどういうことなのか?インタラクティブ・フィクションとはどういう状態を言うのか?
これらにかなりのページを割いており、ゲームはなぜ面白いのか、面白くなるゲームシステムのメカニズムとは?という部分についてはあまり触れられていない。
(全く触れてないわけではない)

コンピュータゲームとはなんなのか...それをプレイするプレイヤーはなんなのか...それらが体系的に理論立てて書かれている。
ある意味ゲーマーに読んでほしいし、読まなくたってとっくにわかってるよっていうようなことが定義づけられて書かれている。
だが、読まなくたってとっくにわかってるよということが、これまで理論立てて日本では書かれてこなかったのである。
そういう意味では、哲学的な、観念的なものを知りたいと常々感じていた人たちには、良書ではないかと思う。

残念なのは300ページ以上ありながら、特に終盤はやや駆け足で展開されることで、これだけボリュームのある本にもかかわらず、ゲームについての論述に物足りなさが残ってしまう点だ。

「電車でGO!」と「A列車で行こう」の違いはもっと深く語るべきだったはずだし、他にも、ゲームを語る上で外せないこのゲームは?あのゲームは?と言いたくなる場面があり、なぜここで「レイディアントシルバーガン」?みたいな引用の仕方もあったし、とにかくゲームを語るには、300ページ以上あってもまだまだ全然足りないというのが実情なのだ。

しかし、コンピュータゲームについてのメカニズムについて、これ以上無いほど詳しく書かれており、非常に読みごたえのある一冊であった。
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